メーリングリスト[Mailman]を、メールマガジン用途に利用する際の設定について説明します。具体的な設定方法は、すでにふれていますので、本項では「各項目の設定値のみ」を紹介します。

■メールマガジン向け設定の概要

メールマガジンの配信に活用する場合、会員は不特定多数の購読者となります。また、管理者からの一方的な配信のみに限定され、会員からの投稿は受け付けません。

概要としてはおおよそ以下のような設定が望まれます。

内的な設定メールマガジンの購読者(会員)が記事投稿できない様、制限する必要があります。
外的な設定会員の情報が誤って外部に漏れない様、セキュリティを重視した設定にします。

1. メーリングリストの全体的な性格

■公表されるこのリストの名称

設定変更不要です。

■リスト管理者のメールアドレス

「システム管理者のメールアドレス」を設定します。

  • Mailmanの制御や設定に関連する通知が配信されます。
■リスト司会者のメールアドレス

「グループ責任者のメールアドレス」を設定します。

  • 投稿記事の承認通知や、会員登録通知が配信されます。
■メーリングリストの内容を表す語句

グループやプロジェクト、サークルの名称などを設定します。

設定例: 耳より新製品情報

■このメーリングリストの紹介文

未記入にします。

  • メールマガジン用途では、総合案内のページを会員に公開しないので設定不要です。
    ■件名の先頭に付ける語句

    マガジンや商品の紹介などを端的にまとめた語句を設定します。

    • この語句はリストから配信されたメールの件名の頭にそのまま明記されます。

    設定例: [耳より情報メール]

    2. ヘッダの書き換え

    ■メールの送信者を隠して、リストアドレスに置き換える

    はい

    • 万一会員から投稿されてしまった場合、他の会員にアドレスが公開されないよう、リストアドレスに置き換えします。
    ■もし、Reply-To:ヘッダがメールに付けられていたら、それを取り除きますか?

    はい

    • 万一会員から投稿されてしまった場合、返信作業によって会員のアドレスが取得されないよう、取り除きます。
    ■投稿された記事の返信先を選んでください

    別のアドレス

    • リストへの投稿ができない様、返信先には別のアドレスを指定します。
    ■別のReply-To:アドレス

    商品やマガジンの問い合わせ先アドレスを設定します。

    3. 親子リストの設定

    この項目はリストの規模や必要性に応じ設定を行ってください。
    このリストを単体で運用する場合には、設定の必要はありません。

    4. 通知の設定

    ■毎月パスワード備忘通知を送りますか?

    いいえ

    • メールマガジンの購読者(会員)にはパスワードを渡さないので、備忘通知は送付しません。
    ■新入会員に送るメールの冒頭に挿入する文章

    未記入にします。

    • メールマガジンの購読者(会員)には歓迎メールを送付しないので記入は不要です。
    ■新入会員に歓迎メールを出しますか?

    いいえ

    • 管理画面のアドレスなどが明記されているので、セキュリティ上、歓迎メールは送付しません。
    ■リスト退会者に送信する文章

    退会者に向けたメール文章を掲載します(必要に応じ)。

    設定例:
    耳より情報のご購読頂き、誠に有難う御座いました。
    これからもよりよいサービスを提供できます様、スタッフ一同つとめて参ります。
    またのご購読、心よりお待ちしております。

    • 必須ではありませんので、必要に応じ設定してください。
    ■退会する会員にお別れのメールを出しますか?

    はい(必要に応じ)

    • 必須ではありませんので、必要に応じ設定してください。
    ■新しい申請が来たら、1日1回まとめて知らせるだけでなく、すぐに管理者に知らせますか?

    はい

    ■入会/退会の結果を管理者に知らせますか?

    はい

    ■投稿が承認のため保留されたら投稿者にメールしますか?

    いいえ

    • メールマガジンの購読者(会員)が投稿を行なうことは前提としていないので、リアクションはしない方がよいでしょう。

    5. その他の設定

    ■すべての投稿を緊急保留にします

    はい

    • メールマガジンの購読者(会員)が万一投稿を行なった場合も、管理者側で削除ができるよう、全ての投稿は保留しておく必要があります。
    ■新入会員のデフォルト設定値
    ・全員アドレスを隠します:チェックする
    ・投稿に対する確認通知を送ります:チェックしない
    ・会員からの投稿は本人には送りません:チェックする
    ・リスト会員に重複するメールを送りません:チェックする
    ■管理コマンドが含まれているメールの配送を保留しますか?

    はい

    • メールマガジン用途では、全ての投稿は管理者が検閲を行なうことが肝要です。
    ■投稿メール本文の最大サイズ(KB)

    必要に応じた上限設定が肝要です。

    • 送付するマガジンの容量に応じ、適切な上限を設定することをお勧めします。
    ■メールの送信に使うホスト名(ドメイン名)

    設定変更不要です。

    ■このメーリングリストからのメールに RFC 2369 ヘッダ (List-*) を付けますか?

    いいえ

    • メールマガジンの配信が、メーリングリストを利用しているものであることを秘匿できます。
    ■投稿記事に List-Post: ヘッダを必要としますか?

    はい

    • メールマガジン用途では、List-Post:ヘッダは不要です。

    6. 入会規則を設定する

    ■このマシンでどんなリストがあるか聞かれた時に広告しますか?

    いいえ

    • 「メールマガジン」用途の場合、閲覧可能な情報は最低限のものに設定しておく必要があります。
    ■入会にはどのような手順が必要ですか?

    承認

    • 「メールマガジン」用途では、管理者が会員(購読者)を登録するので、確認作業は不要です。
    ■退会申請には, リスト司会者の承認が必要ですか?

    いいえ

    • 「メールマガジン」用途では、退会も管理者が行ないます。「いいえ」であれば一度の処理で退会手続が完了します。
    ■このメーリングリストへの入会を拒否するアドレスのリスト

    この機能を利用する場合には、対象としたいメールアドレスを改行区切りで入力します。

    ■会員名簿を閲覧できる人は?

    リスト管理者のみ

    • 「メールマガジン」用途の場合、閲覧可能な情報は最低限のものに設定しておく必要があります。
    ■会員のアドレスを表示するときに、 すぐ電子メールのアドレスであることがわからないように表示しますか?

    はい

    • 「メールマガジン」用途の場合、閲覧可能な情報は最低限のものに設定しておく必要があります。

    7. 会員リストを設定する

    制限チェックする
    退会チェックしない
    隠れ会員チェックする
    配送停止チェックしない
    受領チェックしない
    控え無チェックする
    ダブり無しチェックする
    まとめ読みチェックしない
    平文チェックする
    言語日本語

    以上で『メールマガジン』向けのメーリングリスト[Mailman]の設定は完了となります。